【2019】刑務所の中!ある受刑者の告白。

刑務所の中、ある受刑者の告白

僕は8年近くの刑務所生活で多くの受刑者から秘密を打ち明けてもらいました。

それは暗く悲しいもの、隠し資産、事件の裏側。決して週刊誌やニュースで流されることのない数々。

知りたいと思いませんか?

 

受刑者だからこそ知ることができた彼らの告白、お話します。

 

ここで話すことは僕が彼らの相談を受けた結果、執筆に協力を申し出てくれた受刑者の告白です。

 

受刑者の告白。/後悔していると思うか?お前はどう思う?

 

その受刑者はいつも明るく人を励まし、誰かが困っているときに手を差し伸べる人でした。

刑務所という施設は特殊なルールで成り立っています

外では当たり前にできることでも、ここではそうはいきません。

ただ困っている人に手を貸すことですら何かしらのリスクを負うのです

しかし彼は人を助けるということにためらいませんでした。

人望も厚く人に頼られる。

そんな受刑者でした。年齢は20代後半の男性。

彼の名を仮にAと呼ぶことにします。

 

僕とA

 

Aとは以前からよく二人で運動時間などに話をしていました。

それは僕へのイジメ問題をどうすれば良いのかという相談でした。

刑務所では自分の問題を自分で解決することは非常に難しいのです。

そして誰かの一存で助け出すということも困難なのが実際のところでしょう。

3ヶ月の努力の結果僕のイジメは収束を迎えましたが、

全て自力で解決できたのかというと正直わかりません。

Aが見えないところで尽力してくれていた可能性もあるのかもしれないと思っています。

Aとはその時の相談から親しくなっていきました。

 

 

ある日のこと、Aは明らかに様子がおかしくて体調も悪そうでした。

いつもの運動時間、僕は彼に休むように伝え二人で座っていました。

するとAは小さな声で僕に言いました。

 

(A)
じいちゃんが死んだ

 

 

告白の始まり

 

この日、彼は手紙でおじいさんが亡くなったことを知って体調を崩していたのです。

(ラマ)
作業休まないんですか?

 

親類が亡くなった場合、3日間作業が免除され喪に服すことができます。

しかしAは喪に服さずに作業に出ることを選んだようでした。

 

(A)
誰かと話したくてさ。ちょっと相手してくれ。

 

そういってAの告白は始まりました。

 

(A)
俺は事件前から親と上手くいってなくて、今でも面会とかはほとんどないんだ。実際さ、どうにも手の付けられないダメなやつだったんだよ。喧嘩ばっかりしてた。初めの頃はそれでも普通だったんだけどさ。だんだん自分でもどうにもならなくなっていくんだよ

 

(ラマ)
ちょっと今とはイメージ違いますね

 

(A)
それな、事件があってからなんだよ。いや事件なんだって初めは思ってなかった。電車に酔っ払いがいてさ、年寄りを突き飛ばしやがったんだよ。それ見てカッときてさ、少しモメたんだわ。んで一発殴った。その時にもう自分のコントロールとかできてなかったのかな。わかんね。

 

(A)
突き飛ばして、一回だけ殴ったんだよ。俺じいちゃんっ子でさ。親とは上手くいかなかったけど、でもじいちゃんは違ったんだよ。いつも遊んでくれて、俺が大人になっても話とか聞いてくれてさ。それで年寄りに絡んでんじゃねえよって、殴ったんだよ。そしたら後日警察が来てさ、重体だって言われたんだ。障害が残ったらしい。

 

(ラマ)
それは・・・殴ったからってこと?

 

(A)
殴ったからというか、倒れた時の打ち所が悪かったらしい。それで上手く話せなくなった。傷害罪だ。それで逮捕されて頭真っ白になったよ。でさ、悪いことってのは重なるのな。ばあちゃんが死んだんだ。前から病気で長くないって言われてたんだけど、やっぱりショックだったからじゃないかって思う。ばあちゃんともわりと仲良くできてたから悲しかったよなやっぱり。死に目に会いに行けなかったこともキツかった

 

(ラマ)
それはキツいですよね。

 

(A)
お前は俺と俺と同じでお前はじいちゃんだったか。事件で死に目に会えない辛さはなんとも言えないな。でさ、これは罰なんじゃないかって思ったんだよ。喧嘩ばっかりしてた俺への罰。あの時殴ることなんてなかったんだ。絡まれてた年寄りのためじゃなく、俺自身の気持ちをコントロールできなくて殴った結果事件になったんだから。俺への罰でばあちゃんは死んだんだよ。

 

(ラマ)
それはA、気持ちはわかるけど・・・

 

(A)
じゃなかったらなんであのタイミングでばあちゃんは死んだんだよっっ!!・・・悪い。んで自分なりにこのままじゃダメだって思って、喧嘩はしないことにしたんだ。でもそれだけじゃ足りないかもしれない。生きてる間に帰ってあげたい人がいるんだよ。それがじいちゃんだったんだ。願掛けだよな。喧嘩はしない。それに困ってる奴がいたら助けるだからじいちゃんが生きてる間に帰らせてくれって、神頼みな

 

(ラマ)
それでみんなを助けてたんですか。

 

(A)
でもじいちゃんは死んだ。死んだよ。俺のこと最後まで待ったまま死んだ・・・俺は、俺は・・・

 

かけられる言葉なんて僕にはなかったです。

簡単な慰めを口にするには、Aの祖父母が亡くなった境遇はあまりにも僕と似ていたから。

その数日後、Aは暴行で懲罰房へ行き、僕の前から姿を消しました。

 

 

Aが消えた理由

 

僕の知らないところで、隠れてイジメが行われていたそうです。

その当時自分のイジメを収束させた僕はその勢いのまま工場からイジメを消し去ろうと躍起になっていました。

それを疎ましく思った数人が影でイジメを繰り返していたそうです。

そしてイジメられているその相手は70代の痩せたおじいさんのような人でした。

そこからは言葉にできません。

ただAと、イジメられていた70代の人、そしてイジメていた数人が懲罰房へと消えていったのが事実です。

 

悪いことは重なる。

 

とはいえあまりにもタイミングの悪い出来事でした。

Aはイジメを見つけた時どんな気持ちだっただろう。

あれほど喧嘩はしないと言っていた彼が、どんな気持ちで手を挙げたのか

それを考えると今でも胸が痛みます。

 

再会

 

それから数年後、偶然Aと言葉を交わす機会がありました。

あの出来事以来、Aはまた以前の人望厚い彼に戻って刑期を過ごしてきたそうです。

僕は彼を信じています。

彼の表情は僕の知る彼のままだったから。

おじいさんの不幸にも腐らず彼は自分の決めた生き方を選んだ。

僕はそう思っています。

そして、僕はあの時に聞けなかった言葉を彼に投げかけました。

 

(ラマ)
事件のこと、後悔してますか

 

(A)

後悔していると思うか?お前はどう思う?

 

事件のことを聞くのは受刑者間の最大のタブーです

しかし彼は答えてくれました。

 

(A)
言葉にしたって軽いだろ?行動でわかってもらえるよう生きてくよ

 

受刑者の言葉は軽い。だからこそ行動で示すしかない。

その人が生きた結果が、その人の言葉になる。

僕もそう思います。頑張れ、A。

二人の少年から、受刑者の告白をイメージする写真。

 

終わりに

 

ある受刑者の告白。これは僕の経験した出来事です。

これからも少しずつこの記事を書いていくと思います。

それは彼らとの約束だからです。

自分の経験を誰かのための言葉に変えてくれれば嬉しい

そういって僕に協力して話を書くことを了承してくれた彼らとの約束を、

できる限り伝えていけたらと思います。

ではでは。

【2019】刑務所の中!ある受刑者の告白2。10億の男

 
秘密を示す女性の写真。
鋭い視線のネコの写真。
最後まで読んでくれてありがとうございました。